非城識人ノート

日本の城、中世史、読書、思いつき…など

仁木宏著『戦国時代、村と町のかたち』(山川出版社日本史リブレット、2004年)

仁木宏著『戦国時代、村と町のかたち』(山川出版社日本史リブレット、2004年)読了。 山城国西岡地域と同国大山崎を舞台に、村と町における土豪や連帯組織が、室町後期・戦国時代にかけてどのように社会的に存在したのか、残された文書をもとに追う1冊。 仁木…

石神井城 中世豊島氏ここにあり@練馬区立石神井公園ふるさと文化館

先日、練馬区石神井公園ふるさと文化館にて行われている企画展「石神井城 中世豊島氏ここにあり」を拝観しました。 企画展ポスター練馬区立石神井公園ふるさと文化館本展では、練馬区石神井公園内にある東京都指定史跡石神井城について、その歴史や新たに区…

すぎなみの地域史4杉並@杉並区立郷土博物館

先日、杉並区立郷土博物館(本館)にて行われている企画展「すぎなみの地域史4杉並」を拝見しました。 杉並区立郷土博物館本展は、杉並区内の4つの地域(和田堀・高井戸・井荻・杉並)それぞれの歴史や文化を掘り下げるシリーズ展示「すぎなみの地域史」の第4弾だ…

高橋秀樹著『中世の家と性』(山川出版社日本史リブレット、2004年)

高橋秀樹著『中世の家と性』(山川出版社日本史リブレット、2004年)読了。 「家」を単位とする社会へ移り変わった中世。同時期の文献資料や絵画資料から、結婚や居住、家の継承や家産の相続、家内のジェンダーなどの様相を探る1冊。 高橋秀樹著『中世の家と性…

黒田基樹著『今川のおんな家長 寿桂尼』(平凡社、2021年)

黒田基樹著『今川のおんな家長 寿桂尼』(平凡社、2021年)読了。 戦国大名今川家の当主代行を務め「おんな戦国大名」とも称される寿桂尼の生涯を、彼女の発給した文書や公家の日記から丹念に検討し、戦国大名家における「家」妻の地位を明らかにする1冊。 黒…

藤木久志著『土一揆と城の戦国を行く』(朝日選書、2006年)

藤木久志著『土一揆と城の戦国を行く』(朝日選書、2006年)読了。 日本の戦国時代における「内戦の村」の様相について叙述した8編の論文を、土一揆と飢餓と戦争の関係と、戦場の村と城の関係の2つの焦点に分けてまとめられた1冊。 藤木久志著『土一揆と城の戦…

読書計器

先日、勉強会で「読書メーター」なるコミュニティサイトの存在を知り、試しに登録してみた。 これまで読書の感想に関しては、Twitterで呟いてきた。 最近では読書感想をこのブログでも投稿してきたが、この読書メーターでは、本に対する感想を投稿できるほか、…

藤木久志著『城と隠物の戦国誌』(ちくま学芸文庫、2021年)

藤木久志著『城と隠物の戦国誌』(ちくま学芸文庫、2021年)読了。 本書は2009年に朝日新聞社より刊行された同名著書が文庫化されたものである。戦国時代、戦乱の被害にさらされた村びとは、どのように自己の命と財産を守ったのか。戦国時代の城や隠物という行…

武蔵野の中世@武蔵野ふるさと歴史館

先日、東京都武蔵野市の武蔵野ふるさと歴史館にて行われている特集パネル展示「武蔵野の中世―武蔵野合戦の古戦場を巡る―」 を拝観しました。 特集パネル展示ポスター武蔵野ふるさと歴史館本展では、南北朝時代に鎌倉・府中・小金井・埼玉を舞台におこった武…

《コーナー》読了本レビュー

はじめに 読書メーター 年間まとめ 2021年 2020年おうち時間 はじめに ここのところ、毎週エントリを更新していますが、早くもネタ切れに悩んでいます(笑)今回はまたまた新コーナーを立ち上げます。その名も「読了本レビュー」。(カテゴリー: 読了本)今までも…

大石泰史著『城の政治戦略』(角川選書、2020年)

大石泰史著『城の政治戦略』(角川選書、2020年)読了。 戦国期今川氏の4つの城館を対象に、文献史学の立場から城館の政治・経済的役割を考える一冊。 概要と感想 今川氏領国であった駿河・遠江・三河の城館は、今川氏滅亡後に徳川・武田・北条氏の攻防の舞台…

《コーナー》博物館レポート

目次 はじめに 勝手に博物館展覧会アワード 2021年 はじめに 2021年がはじまってから、本ブログではエントリを数個更新しています。前年までは月1回エントリを書くことを目標としていましたが、今年になってからもっと更新したくなりました。 そこで新コーナ…

戦国時代の鎌倉@鎌倉歴史文化交流館

先日、鎌倉市の鎌倉歴史文化交流館にて行われている企画展「戦国時代の鎌倉 もとの都に成してこそみめ」を拝見しました。 企画展ポスター鎌倉歴史文化交流館本展は、鎌倉幕府以来政治の中心地として栄え、鎌倉府の滅亡とともに荒廃した都市鎌倉において、小田…

寺社からたどる戦国の焼津@焼津市歴史民俗資料館

先日、静岡県の焼津市歴史民俗資料館にて行われている企画展「寺社からたどる戦国の焼津」を拝見しました。 企画展ポスター焼津市歴史民俗資料館(焼津市文化センター)本展は、戦国期の焼津市域を舞台に合戦を繰り広げた今川氏・武田氏・徳川氏の動向や、彼らと…

駿河の南北朝動乱展@藤枝市郷土博物館・文学館

先日、静岡県藤枝市郷土博物館・文学館にて行われている特別展「駿河の南北朝動乱展 今川氏、駿河支配のルーツをたどる」へ行きました。 特別展ポスター藤枝市郷土博物館・文学館 南北朝時代に駿河国内で行われた全国規模の合戦の過程や、それらの合戦での武功…

《コーナー》旅行記はじめました

〈目次〉 はじめに ゆきあたりばったり関西(2020年秋) はじめに 久しぶりの更新となってしまいました。前回の更新は、コロナ禍の自粛期間でしたが、それから夏が過ぎ、すっかり秋になってしまいました。 私事では、勉強とアルバイトで忙しい日々でしたが、10…

ゆきあたりばったり関西(5)

前回↓ oshiroetcetera.hatenadiary.com 能登川駅についたのは正午だった。ここからバスを使い、六角氏の本拠観音寺城へ向かう。バス停を降り、結神社に参拝。ここから約1時間の山道となる。 結神社観音正寺登り口延々と続く石段をひたすらに登る。山岳寺院を…

ゆきあたりばったり関西(4)

前回↓ oshiroetcetera.hatenadiary.com 3日目 午前3時に目が覚めた。今日は朝駆けで、初日のリベンジをせねばならない。早々にホテルのチェックアウトを済ませ、電車が烏丸駅を出発したのは5時だった。“大阪”というと大阪市の中心部を想像しがちであるが、大…

ゆきあたりばったり関西(3)

前回↓ oshiroetcetera.hatenadiary.com 慈照寺の門前で約束のメンバーと合流し、いよいよ大文字山へ。リアルでは初対面だったが、打ち解けた雰囲気で山を登る。大文字の火床は、京都盆地を一望できた。こんなパノラマが楽しめる場所は、関東には少ないだろう…

ゆきあたりばったり関西(2)

前回↓ oshiroetcetera.hatenadiary.com 2日目 そもそもこの旅は、博打のように始まった。以前からオンラインで交流していた関西の城好き学生たちと、リアルで城を歩いてみたい。安易な気持ちで彼らを誘ってみたら、快く応じていただいた。だがその旅程に関し…

ゆきあたりばったり関西(1)

1日目 新幹線を降りると、京都は雨だった。 大阪の山城に行くはずだったが、寝坊と降雨で計画変更せざるを得ないらしい。 とりあえずホテルに荷物を預け、上賀茂神社に向かった。大学院の授業では上賀茂神社の文書を読ませていただいているので、まずはご挨…

おうち時間に読んだ日本中世史本5選

こんにちは。新型コロナウイルスの影響が続く今日、お元気でお過ごしでしょうか。幸い自分は健康に過ごしております。このコロナ禍による外出自粛中、いい機会だったので、買いためて読んでいなかった歴史本(特に日本中世史)をかなり消化しました。今までで…

城に木が生えていること(1)

公園として整備された皆川城(栃木県栃木市、2018年12月撮影) 先日、以下の記事を見つけた。 shirobito.jp当情報サイトは初心者向けにお城の歴史・構造・鑑賞方法を解説するものらしい。冒頭の記事では「山城には木が生えていなかったって本当?」と題して、以…

近況。

▶「本ブログのトリセツ」へ ご無沙汰しております! しばらくこのブログの更新が滞っており、己の怠慢ぶりを恥じ入るばかりですm(_ _)m 前回のエントリ以来、半年以上の歳月が過ぎてしまいました。この間、多忙を極めており(というより心に余裕がなく)、ブログ…

小杉御殿(3) 小杉御殿の現在を歩いてみる

▶「本ブログのトリセツ」へ ▶「戦国「ホテル」へようこそ」メニュー こんにちは。お久しぶりです。前回、「小杉御殿の跡地は現在どうなっているのかをみていきたいと思います。」と言い残しておきながら、ブラタモリの放送からほぼ1ヶ月を経過し、さらに季節も春を…

小杉御殿(2) その後の御殿

▶「本ブログのトリセツ」へ▶「戦国「ホテル」へようこそ」メニュー こんにちはー。前回からブラタモリにも出演した小杉御殿について、掘り下げてきました。前回は、主に小杉御殿の成立段階といった感じでした。 今回は、徳川家康死後の小杉御殿を見ていきます。 …

小杉御殿(1) 祝!ブラタモリ出演!!

▶「本ブログのトリセツ」へ ▶「戦国「ホテル」へようこそ」メニュー 小杉御殿! 祝!ブラタモリ「#125 武蔵小杉」出演っ!! おめでとうございます 川崎市初上陸でした!!約10年前、ブラタモリ第1シリーズの「二子玉川」回……あともう少しで川崎市だった……あの時の屈…

「御茶屋」「御殿」とは何か

▶「本ブログのトリセツ」へ ▶「戦国「ホテル」へようこそ」メニュー 「御茶屋」「御殿」は、近世初頭、将軍が宿泊・休憩する施設として知られています。 『角川日本地名大辞典 別巻Ⅰ 日本地名資料集成』(角川書店、1990年11月)の中の「御殿」の項目において、御…

《コーナー》戦国「ホテル」へようこそ

▶「本ブログのトリセツ」へ 「戦国『ホテル』へようこそ!」は、昔挫折したブログのタイトルです…。いくつかエントリを書きましたが、完全に消すのも勿体ないので、このブログのコーナーの1つとして、再投稿していきたいと思います…。 本コーナーでは、日本中世…

本ブログのトリセツ

【目次】 ◆ごあいさつ◆ ◆コーナー紹介◆ 読了本レビュー 博物館レポート 戦国「ホテル」へようこそ 旅行記はじめました ◆更新情報◆ 〈2021年〉 〈2020年〉 〈2019年〉 ◆ごあいさつ◆ こんにちは。はじめましてm(_ _)mこのブログでは日本のお城に関係するエントリ…