非城識人ノート

日本の城、中世史、読書、思いつき…など

読了本

曽根原理著『神君家康の誕生 東照宮と権現様』(吉川弘文館歴史文化ライブラリー、2008年)

曽根原理著『神君家康の誕生 東照宮と権現様』(吉川弘文館歴史文化ライブラリー、2008年)、読了。徳川家康が東照大権現として祀られる経緯と、家康の神話が誕生する背景を叙述した1冊。 曽根原理著『神君家康の誕生 東照宮と権現様』(吉川弘文館歴史文化ライ…

末木文美士著『中世の神と仏』(山川出版社日本史リブレット、2003年)

末木文美士著『中世の神と仏』(山川出版社日本史リブレット、2003年)、読了。日本中世史における神道論の動向を追いながら、神と仏、神道と仏教が相互に影響した関係性を叙述する1冊。 末木文美士著『中世の神と仏』(山川出版社日本史リブレット、2003年) 概…

黒田基樹著『下剋上』(講談社現代新書、2021年)

黒田基樹著『下剋上』(講談社現代新書、2021年)、読了。家臣による主君のすげかえ・主殺し・主家の傀儡化など、戦国時代に全国で行われた主な下剋上の事例を紹介し、その特徴を探る1冊。 黒田基樹著『下剋上』(講談社現代新書、2021年)*概要と感想 下位の者…

三鬼清一郎著『大御所徳川家康 幕藩体制はいかに確立したか』(中公新書、2019年)

三鬼清一郎著『大御所徳川家康 幕藩体制はいかに確立したか』(中公新書、2019年)、読了。江戸幕府を開き、大坂の陣で豊臣氏を滅亡に追い込むまでの、家康の大御所政治とその功績を叙述する1冊。 三鬼清一郎著『大御所徳川家康 幕藩体制はいかに確立したか』(…

柴裕之著『徳川家康 境界の領主から天下人へ』(平凡社、2017年)

柴裕之著『徳川家康 境界の領主から天下人へ』(平凡社、2017年)、再読了。誕生から江戸幕府を開くまでの徳川家康の生涯を、「松平・徳川中心史観」を排除し、当時の政治構造に即して叙述する1冊。 柴裕之著『徳川家康 境界の領主から天下人へ』(平凡社、2017…

笠谷和比古著『徳川家康 われ一人腹を切て、万民を助くべし』(ミネルヴァ書房、2016年)

笠谷和比古著『徳川家康 われ一人腹を切て、万民を助くべし』(ミネルヴァ書房、2016年)、読了。家康の生涯を叙述し、その人物像や政治思想の解明を試みる1冊。 笠谷和比古著『徳川家康 われ一人腹を切て、万民を助くべし』(ミネルヴァ書房、2016年) 概要と感…

和泉清司著『江戸幕府代官頭 伊奈備前守忠次』(埼玉新聞社、2019年)

和泉清司著『江戸幕府代官頭 伊奈備前守忠次』(埼玉新聞社、2019年)、読了。江戸幕府代官頭として幕府成立過程の中で大きな役割を果たした徳川家康の家臣、伊奈忠次。彼の生涯をまとめた1冊。 和泉清司著『江戸幕府代官頭 伊奈備前守忠次』(埼玉新聞社、2019…

本多隆成著『定本徳川家康』(吉川弘文館、2010年)

本多隆成著『定本徳川家康』(吉川弘文館、2010年)、読了。徳川家康の生涯について、その大半を過ごした「東海地域」にも着目しつつ、一次史料に基づき出版当時の新説や研究史も端的にまとめて、事績を明らかにする一冊。 本多隆成著『定本徳川家康』(吉川弘…

野村玄著『徳川家康の神格化 新たな遺言の発見』(平凡社、2019年)

野村玄著『徳川家康の神格化 新たな遺言の発見』(平凡社、2019年)、読了。 確かな史料から死後の徳川家康が、どのように神格化されていったのか。その論理と歴史的背景を叙述する1冊。 野村玄著『徳川家康の神格化 新たな遺言の発見』(平凡社、2019年) 概要…

藤井讓治著『徳川家康 時々を生き抜いた男』(山川出版社日本史リブレット人、2021年)

藤井讓治著『徳川家康 時々を生き抜いた男』(山川出版社日本史リブレット人、2021年)、読了。一次史料に基づき、家康の一生を74年という長い生涯のその時々や勝ち取った政治的位置・社会的位置に焦点をあてて描いた1冊。 藤井讓治著『徳川家康 時々を生き抜…

藤井讓治著『人物叢書 徳川家康』(吉川弘文館、2020年)

藤井讓治著『人物叢書 徳川家康』(吉川弘文館、2020年)、読了。徳川家康の生涯を古文書・古記録などの一次史料に基づき、時系列に従って淡々と描いた1冊。 藤井讓治著『人物叢書 徳川家康』(吉川弘文館、2020年) 概要と感想 本書は、徳川家康の一生を一次史…

宮本常一著『忘れられた日本人』(ワイド版岩波文庫、1995年)

宮本常一著『忘れられた日本人』(ワイド版岩波文庫、1995年)、読了。日本全国を旅して調査した民俗学者の著者が、各地で集めた民間伝承を、伝承者本人たちの証言・ライフストーリーを交えながら記し、彼らがどのような社会を生きてきたかを描き出す1冊。 宮…

天野真志・後藤真編『地域歴史文化継承ガイドブック 付・全国資料ネット総覧』(文学通信、2022年)

天野真志・後藤真編『地域歴史文化継承ガイドブック 付・全国資料ネット総覧』(文学通信、2022年)、読了。地域に伝わる歴史的な資料やその保存・継承の方法を紹介する1冊。 天野真志・後藤真編『地域歴史文化継承ガイドブック 付・全国資料ネット総覧』(文学…

馬部隆弘著『椿井文書 日本最大級の偽文書』(中公新書、2020年)

馬部隆弘著『椿井文書 日本最大級の偽文書』(中公新書、2020年)、再読了。 江戸時代に椿井政隆によって創られた数百点もの偽文書である椿井文書。椿井政隆はなぜ偽文書を作成したのか、偽文書は地域史研究にどのような影響を及ぼしているのか。 偽文書から近…

岡寺良著『九州戦国城郭史 大名・国衆たちの築城記』(吉川弘文館歴史文化ライブラリー、2022年)

岡寺良著『九州戦国城郭史 大名・国衆たちの築城記』(吉川弘文館歴史文化ライブラリー、2022年)、読了。 九州の戦国史を主に城郭から読み解く一冊。 岡寺良著『九州戦国城郭史 大名・国衆たちの築城記』(吉川弘文館歴史文化ライブラリー、2022年)本書は、天…

本多隆成著『徳川家康と武田氏』(吉川弘文館歴史文化ライブラリー、2019年)

本多隆成著『徳川家康と武田氏』(吉川弘文館歴史文化ライブラリー、2019年)、読了。 今川領国への侵攻から武田氏の滅亡まで、武田信玄・勝頼二代わたる抗争を中心に、徳川家康の前半生を、最新研究に基づいて叙述する一冊。 本多隆成著『徳川家康と武田氏』(…

西田友広編『ビギナーズ・クラシックス日本の古典 吾妻鏡』(角川文庫、2021年)

西田友広編『ビギナーズ・クラシックス日本の古典 吾妻鏡』(角川文庫、2021年)、読了。 鎌村幕府の歴史書『吾妻鏡』において、歴史上重要な事件や出来事を中心に各年から一つ以上の記事を採録した『吾妻鏡』の入門書的な一冊。 西田友広編『ビギナーズ・クラ…

黒田基樹著『国衆 戦国時代のもう一つの主役』(平凡社新書、2022年)

黒田基樹著『国衆 戦国時代のもう一つの主役』(平凡社新書、2022年)、読了。 著者が長年の戦国史研究において構築した「国衆」という概念を一般向けに解説した一冊。 黒田基樹著『国衆 戦国時代のもう一つの主役』(平凡社新書、2022年) 概要と感想 本書は、…

盛本昌広著『鎌倉武士と横浜 市域と周辺の荘園・郷村・寺社』(有隣新書、2021年)

盛本昌広著『鎌倉武士と横浜 市域と周辺の荘園・郷村・寺社』(有隣新書、2021年)、読了。鎌倉時代における横浜市域に関係する武士たちの消長を追い、鎌倉幕府と横浜市域の関係を考察する1冊。 盛本昌広著『鎌倉武士と横浜 市域と周辺の荘園・郷村・寺社』(有…

坂井孝一著『承久の乱 真の「武者」の世を告げる大乱』(中公新書、2018年)

坂井孝一著『承久の乱 真の「武者」の世を告げる大乱』(中公新書、2018年)、読了。院政および鎌倉幕府の成立・発展という大きな歴史の中に承久の乱を位置づけ直す1冊。 坂井孝一著『承久の乱 真の「武者」の世を告げる大乱』(中公新書、2018年) 概要と感想 今年…

神田千里著『戦国乱世を生きる力』(ちくま学芸文庫、2021年)

神田千里著『戦国乱世を生きる力』(ちくま学芸文庫、2021年)、読了。乱世を生き延びようとした戦国時代の真の主役としての民衆の姿を描いた1冊。 神田千里著『戦国乱世を生きる力』(ちくま学芸文庫、2021年) 概要と感想 本書は2002年に中央公論新社より刊行…

今年読んだ本2021

今週のお題「買ってよかった2021」 今年刊行された本 やっぱり中公新書 ジェンダーを考える 最近の城本 積読解消 洋泉社歴史新書y 中世考古 戦国大名を考える 今年の反省 今年読んだ中公新書3冊2021年も残りわずかです。今年最後のエントリでは、今年読み終…

齋藤慎一著『江戸 平安時代から家康の建設へ』(中公新書、2021年)

齋藤慎一著『江戸 平安時代から家康の建設へ』(中公新書、2021年)読了。 「江戸の変遷を中世から連続して考える」という視点から家康の江戸入城と城下建設を再評価する一冊。 齋藤慎一著『江戸 平安時代から家康の建設へ』(中公新書、2021年) 概要と感想 本書…

加藤理文著『家康と家臣団の城』(角川選書、2021年)

加藤理文著『家康と家臣団の城』(角川選書、2021年)、読了。 織田・豊臣の城とは異なる、徳川家康やその家臣団の城の特徴をまとめ、幕府や徳川家臣団がどのような城づくりを目指していたのかを明らかにすう一冊。 加藤理文著『家康と家臣団の城』(角川選書、…

国立歴史民俗博物館監修・「性差の日本史」展示プロジェクト編『新書版 性差の日本史』(集英社インターナショナル新書、2021年)

国立歴史民俗博物館監修・「性差の日本史」展示プロジェクト編『新書版 性差の日本史』(集英社インターナショナル新書、2021年)、読了。2020年秋、国立歴史民俗博物館にて開催された企画展示「性差の日本史」の見どころを図版とともに紹介する1冊。 国立歴史…

天野忠幸著『三好一族―戦国最初の「天下人」』(中公新書、2021年)

天野忠幸著『三好一族―戦国最初の「天下人」』(中公新書、2021年)、読了。 戦国時代初期に畿内に進出し、足利将軍家や細川氏と渡り合い、信長の上洛以前に将軍家の権威に拠らない政権を樹立した三好一族の興亡を叙述した一冊。 天野忠幸著『三好一族―戦国最…

伊藤俊一著『荘園 墾田永年私財法から応仁の乱まで』(中公新書、2021年)

伊藤俊一著『荘園 墾田永年私財法から応仁の乱まで』(中公新書、2021年)、読了。 日本の中世社会の根幹を形成した荘園制について、荘園研究の成果を反映して、誕生から解体までの約750年の歴史を叙述する一冊。 伊藤俊一著『荘園 墾田永年私財法から応仁の乱…

浅野晴樹著『中世考古〈やきもの〉ガイドブック 中世やきものの世界』(新泉社、2020年)

浅野晴樹著『中世考古〈やきもの〉ガイドブック 中世やきものの世界』(新泉社、2020年)、読了。中世の遺跡から発掘された“やきもの”を、考古学の視点から紹介・解説する一冊。 浅野晴樹著『中世考古〈やきもの〉ガイドブック 中世やきものの世界』(新泉社、2…

黒田基樹著『北条氏康の家臣団 戦国「関東王国」を支えた一門・家老たち』(洋泉社歴史新書y、2018年)

黒田基樹著『北条氏康の家臣団 戦国「関東王国」を支えた一門・家老たち』(洋泉社歴史新書y、2018年)、読了。戦国大名北条家3代当主、北条氏康が当主となってから死去するまでの約30年を対象に、氏康・氏政を支えた一門・家老に焦点をあてて、北条家の政治・…

日本史史料研究会監修・平野明夫編『家康研究の最前線 ここまでわかった「東照神君」の実像』(洋泉社歴史新書y、2016年)

日本史史料研究会監修・平野明夫編『家康研究の最前線 ここまでわかった「東照神君」の実像』(洋泉社歴史新書y、2016年)読了。 家康研究における論点を端的にまとめ、最新の研究状況をわかりやすく叙述した1冊。 日本史史料研究会監修・平野明夫編『家康研究…