非城識人ノート

日本の城、中世史、読書、思いつき…など

徳川家康と北遠@浜松市立内山真龍資料館

浜松市立内山真龍資料館にて行われている特別展「徳川家康と北遠」を拝観しました。 本展チラシ本展は、永禄11年(1568)12月に侵攻し遠江を拠点にした徳川家康が、武田氏と二俣城・犬居城などをめぐる攻防が繰り広げられた北遠(現在の浜松市天竜区)に、どのよ…

士(サムライ)たちの富士山@静岡県富士山世界遺産センター

先日、静岡県富士山世界遺産センターにて行われている特別展「士(サムライ)たちの富士山」を拝観しました。 同展ポスター静岡県富士山世界遺産センター 今回の特別展は、第一部「清見寺と武家政権―足利将軍、豊臣秀吉、徳川家康―」(10/1~10/30)・第二部「頂…

鎌倉殿の宴のあと―伊豆山出土の中世土器―@熱海市立伊豆山郷土資料館

先日、静岡県の熱海市立伊豆山郷土資料館にて行われた企画展「鎌倉殿の宴のあと―伊豆山出土の中世土器―」を拝観しました。 同展チラシ熱海市立伊豆山郷土資料館 まず、伊豆山郷土資料館がとてもコンパクト!(失礼)企画展といっても、展示ケース2つ分ほどの…

城下町飯田と飯田藩@飯田市美術博物館

先日、長野県の飯田市美術博物館にて行われている特別展「城下町飯田と飯田藩」を拝観しました。 本展ポスター飯田市美術博物館 本展は、堀親昌が飯田藩主として下野烏山から入封して350年、飯田城下町の基礎を築いた京極高知の没後400年の節目にあたる今年(…

流人頼朝と伊東氏@伊東市文化財管理センター

先日、静岡県の伊東市文化財管理センターにて行われている企画展「流人頼朝と伊東氏」を拝観しました。 企画展ポスター伊東市文化財管理センター本展は、伊東市ゆかりの鎌倉武士伊東氏と源頼朝の関係について、最近の研究成果をパネルで紹介するとともに、伊…

鎌倉殿をとりまく者たち@三嶋大社宝物館

先日、静岡県三島市の三嶋大社宝物館にて行われた前期特集展示「鎌倉殿をとりまく者たち」を拝観しました。 三嶋大社宝物館本展は宝物館の前期特集展示として、三嶋大社の宮司矢田部家に伝わる源頼朝・北条義時をはじめとする鎌倉幕府関係の文書を中心に、館…

古文書あれこれ@内山真龍資料館

先日、静岡県の浜松市立内山真龍資料館にて行われた常設展「古文書あれこれ」を拝観しました。常設展とはいえ、6月~9月までの限定開催でしたので、見に行きました。 同展ポスター内山真龍資料館 今回の展示では以下の文書の展示が行われていました。 大谷村…

河内長野の霊地 観心寺と金剛寺 真言密教と南朝の遺産@京都国立博物館

先日、京都国立博物館にて行われた特別展「河内長野の霊場 観心寺と金剛寺―真言密教と南朝の遺産―」を拝観しました。 同展の看板京都国立博物館本展は、大阪府河内長野市に所在する真言密教の大寺院、観心寺と金剛寺において2016~2019年にかけて行われた文…

曽根原理著『神君家康の誕生 東照宮と権現様』(吉川弘文館歴史文化ライブラリー、2008年)

曽根原理著『神君家康の誕生 東照宮と権現様』(吉川弘文館歴史文化ライブラリー、2008年)、読了。徳川家康が東照大権現として祀られる経緯と、家康の神話が誕生する背景を叙述した1冊。 曽根原理著『神君家康の誕生 東照宮と権現様』(吉川弘文館歴史文化ライ…

末木文美士著『中世の神と仏』(山川出版社日本史リブレット、2003年)

末木文美士著『中世の神と仏』(山川出版社日本史リブレット、2003年)、読了。日本中世史における神道論の動向を追いながら、神と仏、神道と仏教が相互に影響した関係性を叙述する1冊。 末木文美士著『中世の神と仏』(山川出版社日本史リブレット、2003年) 概…

黒田基樹著『下剋上』(講談社現代新書、2021年)

黒田基樹著『下剋上』(講談社現代新書、2021年)、読了。家臣による主君のすげかえ・主殺し・主家の傀儡化など、戦国時代に全国で行われた主な下剋上の事例を紹介し、その特徴を探る1冊。 黒田基樹著『下剋上』(講談社現代新書、2021年)*概要と感想 下位の者…

三鬼清一郎著『大御所徳川家康 幕藩体制はいかに確立したか』(中公新書、2019年)

三鬼清一郎著『大御所徳川家康 幕藩体制はいかに確立したか』(中公新書、2019年)、読了。江戸幕府を開き、大坂の陣で豊臣氏を滅亡に追い込むまでの、家康の大御所政治とその功績を叙述する1冊。 三鬼清一郎著『大御所徳川家康 幕藩体制はいかに確立したか』(…

柴裕之著『徳川家康 境界の領主から天下人へ』(平凡社、2017年)

柴裕之著『徳川家康 境界の領主から天下人へ』(平凡社、2017年)、再読了。誕生から江戸幕府を開くまでの徳川家康の生涯を、「松平・徳川中心史観」を排除し、当時の政治構造に即して叙述する1冊。 柴裕之著『徳川家康 境界の領主から天下人へ』(平凡社、2017…

笠谷和比古著『徳川家康 われ一人腹を切て、万民を助くべし』(ミネルヴァ書房、2016年)

笠谷和比古著『徳川家康 われ一人腹を切て、万民を助くべし』(ミネルヴァ書房、2016年)、読了。家康の生涯を叙述し、その人物像や政治思想の解明を試みる1冊。 笠谷和比古著『徳川家康 われ一人腹を切て、万民を助くべし』(ミネルヴァ書房、2016年) 概要と感…

和泉清司著『江戸幕府代官頭 伊奈備前守忠次』(埼玉新聞社、2019年)

和泉清司著『江戸幕府代官頭 伊奈備前守忠次』(埼玉新聞社、2019年)、読了。江戸幕府代官頭として幕府成立過程の中で大きな役割を果たした徳川家康の家臣、伊奈忠次。彼の生涯をまとめた1冊。 和泉清司著『江戸幕府代官頭 伊奈備前守忠次』(埼玉新聞社、2019…

本多隆成著『定本徳川家康』(吉川弘文館、2010年)

本多隆成著『定本徳川家康』(吉川弘文館、2010年)、読了。徳川家康の生涯について、その大半を過ごした「東海地域」にも着目しつつ、一次史料に基づき出版当時の新説や研究史も端的にまとめて、事績を明らかにする一冊。 本多隆成著『定本徳川家康』(吉川弘…

野村玄著『徳川家康の神格化 新たな遺言の発見』(平凡社、2019年)

野村玄著『徳川家康の神格化 新たな遺言の発見』(平凡社、2019年)、読了。 確かな史料から死後の徳川家康が、どのように神格化されていったのか。その論理と歴史的背景を叙述する1冊。 野村玄著『徳川家康の神格化 新たな遺言の発見』(平凡社、2019年) 概要…

藤井讓治著『徳川家康 時々を生き抜いた男』(山川出版社日本史リブレット人、2021年)

藤井讓治著『徳川家康 時々を生き抜いた男』(山川出版社日本史リブレット人、2021年)、読了。一次史料に基づき、家康の一生を74年という長い生涯のその時々や勝ち取った政治的位置・社会的位置に焦点をあてて描いた1冊。 藤井讓治著『徳川家康 時々を生き抜…

藤井讓治著『人物叢書 徳川家康』(吉川弘文館、2020年)

藤井讓治著『人物叢書 徳川家康』(吉川弘文館、2020年)、読了。徳川家康の生涯を古文書・古記録などの一次史料に基づき、時系列に従って淡々と描いた1冊。 藤井讓治著『人物叢書 徳川家康』(吉川弘文館、2020年) 概要と感想 本書は、徳川家康の一生を一次史…

宮本常一著『忘れられた日本人』(ワイド版岩波文庫、1995年)

宮本常一著『忘れられた日本人』(ワイド版岩波文庫、1995年)、読了。日本全国を旅して調査した民俗学者の著者が、各地で集めた民間伝承を、伝承者本人たちの証言・ライフストーリーを交えながら記し、彼らがどのような社会を生きてきたかを描き出す1冊。 宮…

天野真志・後藤真編『地域歴史文化継承ガイドブック 付・全国資料ネット総覧』(文学通信、2022年)

天野真志・後藤真編『地域歴史文化継承ガイドブック 付・全国資料ネット総覧』(文学通信、2022年)、読了。地域に伝わる歴史的な資料やその保存・継承の方法を紹介する1冊。 天野真志・後藤真編『地域歴史文化継承ガイドブック 付・全国資料ネット総覧』(文学…

馬部隆弘著『椿井文書 日本最大級の偽文書』(中公新書、2020年)

馬部隆弘著『椿井文書 日本最大級の偽文書』(中公新書、2020年)、再読了。 江戸時代に椿井政隆によって創られた数百点もの偽文書である椿井文書。椿井政隆はなぜ偽文書を作成したのか、偽文書は地域史研究にどのような影響を及ぼしているのか。 偽文書から近…

岡寺良著『九州戦国城郭史 大名・国衆たちの築城記』(吉川弘文館歴史文化ライブラリー、2022年)

岡寺良著『九州戦国城郭史 大名・国衆たちの築城記』(吉川弘文館歴史文化ライブラリー、2022年)、読了。 九州の戦国史を主に城郭から読み解く一冊。 岡寺良著『九州戦国城郭史 大名・国衆たちの築城記』(吉川弘文館歴史文化ライブラリー、2022年)本書は、天…

本多隆成著『徳川家康と武田氏』(吉川弘文館歴史文化ライブラリー、2019年)

本多隆成著『徳川家康と武田氏』(吉川弘文館歴史文化ライブラリー、2019年)、読了。 今川領国への侵攻から武田氏の滅亡まで、武田信玄・勝頼二代わたる抗争を中心に、徳川家康の前半生を、最新研究に基づいて叙述する一冊。 本多隆成著『徳川家康と武田氏』(…

鎌倉幕府と執権政治@國學院大學博物館

先日、國學院大學博物館にて行われた、春の特別列品「鎌倉幕府と執権政治―國學院大學図書館の名品―」展を拝観しました。 本展ポスター本展は、鳥羽天皇皇女八条院関係の文書史料や久我家文書などの國學院大學図書館が所蔵する資料の中から、源頼朝や北条義時…

八田知家と名門常陸小田氏―鎌倉殿御家人に始まる武家の歴史―@土浦市立博物館

先日、土浦市立博物館にて行われていた特別展「八田知家と名門常陸小田氏―鎌倉殿御家人に始まる武家の歴史―」を拝観しました。 土浦市立博物館本展は初期の鎌倉幕府の御家人であった八田知家に始まり、約700年にわたる常陸小田氏の一族の足跡について紹介す…

西田友広編『ビギナーズ・クラシックス日本の古典 吾妻鏡』(角川文庫、2021年)

西田友広編『ビギナーズ・クラシックス日本の古典 吾妻鏡』(角川文庫、2021年)、読了。 鎌村幕府の歴史書『吾妻鏡』において、歴史上重要な事件や出来事を中心に各年から一つ以上の記事を採録した『吾妻鏡』の入門書的な一冊。 西田友広編『ビギナーズ・クラ…

黒田基樹著『国衆 戦国時代のもう一つの主役』(平凡社新書、2022年)

黒田基樹著『国衆 戦国時代のもう一つの主役』(平凡社新書、2022年)、読了。 著者が長年の戦国史研究において構築した「国衆」という概念を一般向けに解説した一冊。 黒田基樹著『国衆 戦国時代のもう一つの主役』(平凡社新書、2022年) 概要と感想 本書は、…

盛本昌広著『鎌倉武士と横浜 市域と周辺の荘園・郷村・寺社』(有隣新書、2021年)

盛本昌広著『鎌倉武士と横浜 市域と周辺の荘園・郷村・寺社』(有隣新書、2021年)、読了。鎌倉時代における横浜市域に関係する武士たちの消長を追い、鎌倉幕府と横浜市域の関係を考察する1冊。 盛本昌広著『鎌倉武士と横浜 市域と周辺の荘園・郷村・寺社』(有…

坂井孝一著『承久の乱 真の「武者」の世を告げる大乱』(中公新書、2018年)

坂井孝一著『承久の乱 真の「武者」の世を告げる大乱』(中公新書、2018年)、読了。院政および鎌倉幕府の成立・発展という大きな歴史の中に承久の乱を位置づけ直す1冊。 坂井孝一著『承久の乱 真の「武者」の世を告げる大乱』(中公新書、2018年) 概要と感想 今年…